個人事業主という働き方は、自由です。
働く時間も、場所も、関わる人も選べる。これはとても大きな魅力ですよね。
でも、その自由の裏側には「自由すぎて迷子になる」という落とし穴もあります。
「私の強みって、いったい何なんだろう?」
「そもそも、この仕事のやり方で合ってるのかな?」
そんな「強み迷子」になっている個人事業主は、とても多いのではないでしょうか。
強みは「成果」ではなく「自然さ」にある
多くの人は、強みを「スキル」「実績」「数字」で探そうとします。
でも、本当の強みってそういうわかりやすいものだけじゃありません。
むしろ、人から「ありがとう」と言われた瞬間。
自分が特に頑張ったわけじゃないのに、自然とやっていて感謝される行為。
そこにこそ、あなたの強みが隠れています。
哲学的にいえば、強みとは“テクネー”に近いもの。
古代ギリシアでは「技術」や「技芸」という意味で使われましたが、それは「人が自然に発揮できる働き」のこと。
特別に磨いた剣ではなく、手に馴染んで自然と扱える道具。
その延長にあるのが、あなただけの強みなのです。
自己受容が土台になる
とはいえ「私の強みなんて特別じゃないし」と思ってしまうのも、人の常。
でも、そこで大切なのは「自己受容」。
「私はもっとできなきゃ」ではなく、「今の私のままで、もう十分」と認めること。
フリーランスや個人事業主として独立していること自体が、あなたがすでに積んできた時間と選択の証です。
不安も弱さもひっくるめて、その存在そのものが立派な資源になる。
心理学でも、自己受容は自己成長のベースだと言われています。
「強みを探す」ことよりも、「今の自分を受け入れる」ことの方が、先に来る。
そうすると、不思議と強みは光を帯びて見えてくるようになるんです。
強みは“光”になって広がる
無理して作った強みは、長くは続きません。
でも、自然と出てくる力を受け入れ、そこに光を当てて使っていけば、続けやすい。
そして、その姿こそが他の誰かに勇気を与えるものになります。
あなたがありのままで歩んでいる姿が、同じ迷いを抱く人にとって「道しるべ」になる。
未来をつくるのは、強さだけではありません。
迷いも、不安も、一緒に抱えて進む一歩。
その歩みの中でこそ、強みは光を増し、周囲を照らしていきます。
「私でいい」
そう思える瞬間から、すでに未来は形づくられています。
強み迷子から抜け出す道は、探すのではなく、受け入れるところから始まるのです。
強みを発見するノートワークのすすめ
- ありがとうノートをつくる
毎日、誰かから言われた「ありがとう」をメモします。
たとえば、クライアントの感謝の言葉や、友人の「助かったよ」など、小さなことでもOK。
自然と出てしまう行動の中にあなたの強みが隠れているからです。 - できたことリストを作る
その日、その週で「自分が自然にできたこと」をできるだけ具体的に書き出しましょう。
「〇〇の相談に乗った」「文章をわかりやすくまとめた」「時間通りに納品した」など。
特別な成果でなくても、自分が無理なくやれたことが宝物です。 - 自分への肯定メッセージを書く
「今日の私は十分だった」「今のままの自分が好き」など、自己受容を促す言葉を毎日ノートに書きます。
哲学的に言うと、自己受容はあなたの存在の承認であり、強みの光を照らす土台になります。 - 弱さや迷いも書き出す
迷路の中にいる時は、迷いも不安も書き出してみましょう。
見える化することで、感情の整理ができ、次に進む力になります。
「今は〇〇が苦手」「もっと〇〇したいけど怖い」と具体的に。 - 月に一度、振り返りタイムを作る
つまり、ありがとうノートやできたことリストを見返します。
自分の成長や繰り返し感謝されている行動のパターンが見えてきて、強みの輪郭がクリアに。
このノートワークは「強みを作る」のではなく、「強みを見つけ、受け入れる」ためのツールです。
無理せず、自分に優しく。 毎日続けることで、自分の本質と対話が始まります。
未来を形づくるのは、日々の小さな気づきと受容の連続。
ノートとペンが、その旅の相棒になるでしょう。