先日の知人の披露宴の後、印象的だった出来事について強みから見た観点を書き残しておこうと思います。
披露宴が終わり、賑やかな余韻を胸に、博多駅へ向かう式場からの送迎バスに乗り込みました。
外は夕暮れ、窓の外の景色は穏やかでしたが、道路はかなりの渋滞。
時計の針が進むたびに、「このままだと電車に間に合わないかも…」という焦りがじわじわ顔を出してきました。
方向音痴の私は、こういう時ほどどうすればいいか分からなくなってしまいます。
そんな不安な空気の中で、ある女性がすっと手を挙げて運転手さんに声をかけました。
「博多駅ではなく、途中の〇〇駅に行き先を変更していただけませんか?時間が迫っている方が何人かいるので」
その場で即座に最適な判断。
しかも、運転手の方とのやり取りもスムーズで、数人の乗客がそのおかげで電車に間に合いました。
私はただただ感心して、心の中で「すごい…」とつぶやいていました。
彼女は同じ披露宴に出ていた方で、帰りの方向も同じ。
途中まで一緒に駅へ向かってくれたのが本当に心強くて、混雑の中でも安心感に包まれていました。
お礼を伝えながらお話しすると、彼女は秘書として働いているとのこと。
「あぁ、だからなんだ」と、すべてがつながった気がしました。
どんな状況でも冷静に、しかも周囲を気遣いながら最善の行動を取れるのは、日々、さまざまな対応を積み重ねてきた方の力。
私の中の「収集心」と「学習欲」が、その一瞬の判断の裏にある思考や経験を知りたくてうずうずしました。
彼女がこれまで出会ってきた人たち、支えてきた時間の重なりを想像して、胸の奥が温かくなりました。
あんなふうに、落ち着いた判断で人を安心させる力を、私も磨いていきたい。
あの日、無事に電車に間に合ったことも嬉しかったけれど、何より心に残ったのは、冷静さの中にあるやさしさ。
人を導く力は、決して強さだけではなく、静かな思いやりの上に成り立っている。
そう感じた帰り道でした。
この出来事から見えたストレングス・ファインダーから見た気づき
今回の経験を通して改めて実感したのは、「自分にはない強みを持っている人がいる」ことの素晴らしさです。
私は「収集心」や「学習欲」で人の行動の背景を知りたくなり、「内省」「共感性」を通じてその人の歩みや気遣いを思い描いていました。
一方で、目の前の状況を瞬時に判断し、全体を俯瞰して行動を変える秘書の方には本当に脱帽しました。
この方は「戦略性」や「分析志向」、「アレンジ」が上位資質にあるのではと想像しました。
「自分にもこうした力があれば…」と一瞬思いましたが、上位資質にないから悲観したり、羨むのではなく、誰かの強みに素直に感謝し、自分の視点だからこそできる振り返りや感動の深さにも改めて価値を感じました。
ストレングス・ファインダーは、得意を活かして人生を切り開ていけるツールです。
資質の違いは弱点ではなく互いに補い合うもの。
ポジティブに生きるために役立つツールとして使っていきたいものです。
他者の強みに気づき、それに支えられたことを感謝できる自分自身の資質にも、これからもっと自信を持っていきたいと思います。

